2010年1月18日

タンザニアグルメ ネズミ

タンザニアグルメ ネズミ

今日はおかずとしてのネズミを紹介します!!

ネズミはタンザニア全土で食べられているわけではありません!
私の活動しているタンザニア南東部が一応有名(?)ですが、南東部においても広く食べられているわけではありません。

隊員がいる任地の中ではおそらく私の任地ルクレディ(Lukuledi)くらいでしょう。
ということでネズミは私の任地ルクレディ(Lukuledi)の特産品(!?)と呼べそうです


第一の都市ダルエスサラームにいる時に色んな人と世間話をしている中で、自分の村ではネズミを食べるのが一般的であるという話をすると、ダルエスサラームの人々でもかなりビックリします。信じない人もいます。以前にも書いたかも知れませんがダルエスサラーム生まれダルエスサラーム育ちの若者はきっと大多数のタンザニア国民とは違う感性をもっているのかもしれません。

私が「食べたことがある」と言うとかなり引いた顔をする人もいます!
ダルエスサームの町っ子にとっては田舎の生活は想像できないものなのかもしれません。

日本にいた頃の私がタンザニアの村の人々の暮らしがどのようなものなのか想像できなかったように。


ネズミ、私も食べましたが

私は正直あまり好きではありません。

体が小さいので肉もあまり付いていないし、特有の臭みがあります。
きっと食べ続けて慣れれば、おいしく感じるようになると思うのですが。

食べるネズミは家の中にいるネズミ(例えば私の家の天井裏にいるネズミ)ではなく、草原・茂みの中にいる「野生のネズミ」です。

ネズミを捕まえることを仕事にしている村人がいて、彼らは草原・茂みに行って「ネズミ捕りの罠」をしかけておくそうです。一度にけっこう大量に捕まえるんだとか。

実はリチャードのお父さんも「ねずみ狩」の一人です。

捕まえたネズミは、屠殺し、内臓を取りだすなどの下処理をした上で売られています。

値段はというと、、、一束5匹で200Tsh(約20円)です。本当に安いです!!

ですがこれこそが彼らがネズミを食べる理由の一つなんだそうです。

多くの村人は家畜としてを飼っていますが、鶏もそこまで早く成長するわけではないので肉が食べたいからと、どんどん食べてしまえるわけではありません。自分たちでは食べずに、売って現金収入の一つとしている人も多いです。
鶏一匹の値段は大きさや太り具合によって5000Tsh~10000Tshくらいの間で変わるらしいです!

その他に有名な家畜として牛、豚、山羊(ヤギ)が挙げられますが、これらを飼うには莫大な資本と時には餌代も必要になります

大きい牛になると一匹の売値が30万Tsh(約3万円、日本円で考えると安いかもですが、タンザニアでは大金です)を超えるそうです。これはもやは庶民が飼える家畜ではありません。
これらの肉は「量り売り」で売られていますが、たとえば豚肉の最近の値段は1キロ3500Tshなので、多くの村人には「手が出ない食べ物」です。

ということから、通常の肉である牛、豚、山羊、鶏が買えない村人が「肉を食べる手段」としてたどり着いたものなんだそうです。



日本ではネズミはミッキーマウスをはじめとするキャラクターを例外として、動物のネズミのイメージはあまりよくないように思います。
「好きな動物は何?」と聞かれて「ネズミ」と答える人はほとんどいないと思いますし、
日本で「ネズミをおかずとして食べている」という話をきいたことはありませんでした。
なので初めてネズミが出てきた時は正直、私の中に抵抗感がありました

見た目にも抵抗感があるし、不潔な動物であるようなイメージが頭をよぎりました。


しかしよくよく考えて見れば全然そんなことはないのです。

よく見れば、普段おいしいと言って食べている「」だってかなりグロテスクな顔をしているし、
その辺を歩き回って地面に落ちているものを食べているという意味ではネズミは「」と何も変わらないはずです。(村にいる鶏は完全な放し飼いでゴミ捨て場をあさっている鶏も多くいます)


つまり私をためらわせたものは「客観的な事実」ではなく「主観的な先入観・偏見」だったと思います。

きっとこの村に生まれ、小さい頃からネズミを食べていたら私も「おいしい」と言ってモリモリ食べていたと思うのですが、今の自分はやはり大好きになることはできません。



以前の投稿に出てきた中学の頃のA先生の影響で私は

「嫌いな食べ物がない」

というのを自慢にしています(笑)

A先生は

「どんな場面でどんな食事を出してもらった時でもそれをおいしく食べることができたら、人生とっても楽しいじゃないか」

と私たち生徒にいつも言っていました。

これを聞いたのが中学2年生の時。それ以来これを意識して「食わず嫌い」をやめ、おいしいと思って食べるように心がけました。すると本当にどの食べ物もおいしく思えてくるので素敵です


これを実践するようにすることで実際人生はとても楽しくなると感じています。
「食べること」は毎日行うべき「人間の基本的欲求を満たす作業」だと思うので。


ネズミは自分の「主観的な先入観・偏見」によって邪魔されている食べ物ですが、この偏見もいつかなくなればいいなと思っています。


そのためにはもっと人々と交流を深めることが一番かなと思います。


「トウモロコシのウガリ」と「おかずのネズミ」


ネズミのスープ



リチャード一家の食事風景の中で写真を撮らせていただきました


2010年1月14

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