2010年6月20日

タンザニアから帰国しました!

タンザニアから帰国しました!


3月下旬に無事に帰国しました。

無事に帰国できたのも皆さんのおかげです。
タンザニア赴任中、応援・メッセージ・支援を下さった皆さま、本当にありがとうございます。


2008年3月下旬にタンザニアに到着してからちょうど2年間。
正直言ってあっという間に過ぎてしまった2年間でしたが、この2年間は私にとって本当に大きな2年間でした。

今回は2年間のタンザニアでの生活を終えるに際しての気持ちを書いてみたいと思います。
任期終了時に、国際協力機構に提出した報告書に書いた文面を引用しながらここにも書き記してみたいと思います。



***************************************************************


全体について

2年間という期間をかけて築いてきた人々との交友関係や慣れ親しんだタンザニアでの生活とお別れをしなければならないことには率直に寂しさを感じる。
日本でまだ仕事をしたことのない私にとってタンザニアで「教師」という仕事をさせてもらえたことは非常に有意義な経験となった。

この2年間、私がタンザニアの人々から受け取ったもの・教えてもらったものは本当に大きく、大切なものばかりである。タンザニアの人々に心から感謝している。タンザニアの人々への愛着を、タンザニアという環境への感謝をこれから先どうやって行動に移していくか、今後の私の人生にとって大切なテーマになってくると思う。



活動の成果

2年間「理数科教師」として配属先の学校で生徒と関わらせてもらい、任地ルクレディで1人の人間として2年間生活させてもらえて本当にいろいろなことを学んだ。満足感と感謝の気持ちでいっぱいである。

私にとっては初めての教室型教師の経験であったので、その難しさや楽しさなど学校の教師という仕事に対する様々な側面を体感することができ非常に有意義であった。

この貴重な経験がタンザニアのルクレディというこの場所でできたことは一層その印象を強めてくれている。

私が関わった生徒たちが卒業後、それらの経験を少しでも何かに役立ててくれれば、それが活動結果と呼べる成果になるのかもしれない。
しかし、目に見える成果として残ったものは残念ながら特にない。学校の環境や運営状況、先生の態度などは変わっていない。また本校の理数科科目を取り巻く環境やタンザニアという国全体としての理数科科目を取り巻く環境は依然として非常に厳しいものがある。



隊員としての経験について

協力隊員としてタンザニアの人々と近い距離で2年間生活させてもらえて本当に多くのことが学べたと思う。

この2年間で体感したことは、

人間の根本的な在り方に対する自分なりの見解
であったり、
日本を外側から相対的に見る私なりの視点であったり、
この世に存在する価値の概念富・豊かさに対する根底からの問いかけであったり、

少々哲学的な考察が多く含まれている。


基本的な人間の生活に必要な衣・食・住や「健康で文化的な人間の生活」に必要な医療・教育などを取り巻く環境がこれだけ大きく異なる国で生活させてもらえたことは私の今後の人生に間違いなく大きな影響をもたらす。

現代日本の環境で生まれ育った私が上記のようなことと真剣に向き合うためには日本を出て「途上国」と呼ばれる国で生活することが必要だったのだと改めて感じると共に、日本の環境が今まで私にもたらしてくれた恩恵に果てしない感謝の意を感じるのである。

そしてそんな身勝手な私を温かく迎え入れてくれ、いつも優しい笑顔で私と接してくれたタンザニアの人々と環境にもこの上ない感謝の念を抱いている。

タンザニアという、日本以外にこれほどまでに愛せる国と出会わせてもらったことに心から感謝したい。



帰国後ボランティア経験を社会に還元または発信するための方法と計画

「価値観の多様性」についての重要性・素晴らしさについての認識がこの2年間のボランティア経験でさらに深まったと思うのでその点について何らかの形で貢献していけたらこの上ない幸せであると思う。

しかし「日本社会」にこれらの経験を還元するということについて、積極的に具体的に何かをしていきたいという強い思いは特にない。
日本にもいろんな価値観を持った人々がいて、その中には価値の多様性を主張することが「不利益」につながるとして敬遠する向きもあるであろうし、またそういう考えも非常に大切な価値観の一つである。

よって自分から必要以上にこの経験を主張していこうというつもりはない。
主にしていこうと考えているのは

「タンザニアとの繋がりを切らない事」
「タンザニアに恩返しができる何かを少しでも自分なりに探すこと」

である。

この2年間、私がタンザニアの人々から受け取ったもの・教えてもらったものは、私がタンザニアの人々に与えたものよりも間違いなく多い。

そしてその事に私は畏敬にも似た感謝を感じている。

どんな小さいことでも間接的なことでもタンザニアの人々に想いを持ち続けること
そしてこの2年間の経験を踏まえて自分の行動を自分なりに制御していくことが大切である

と私は感じている。



***************************************************************


2年前までは地図を開いて「こんな所にあるのかぁ」と思ったり、
データ集を開いて「こんな性格を持った国なのかぁ」と把握を図ってみたり、
そんな捉え方しかできなかったタンザニア。

でも今は全く違う捉え方ができます。


顔と名前がわかる人がタンザニアに大勢いる。

昨日の事のように思い出せる彼らの笑顔や笑い声がある。

突き抜けるような青空や静まり返った星空を知った。

緑豊かな大地の恵みに2年間守られた記憶がある。



この身体のどこかに深く刻まれたこれらの印象を大事にしながらこれからも生活していきたいと思います。この2年間の「終わり」が新たな「始まり」を意味していることは言うまでもありません。


私を支えてくれ、応援してくれ、助けてくれた

温かきタンザニアの友人に

タンザニアで働く日本人スタッフに

日本から応援してくれた家族・友人・恩師の皆さんに

心から感謝申し上げます。


本当にありがとうございました。






このブログを更新するまでに帰国してから3カ月も経ってしまいました。
更新頻度が低く、申しわけありません。

また今年1月から一度も更新しておらず、すみませんでした。

しかし、まだまだ更新していきたい投稿(タンザニアで感じたこと・体験したこと)がたくさんあるので暇を見つけては少しずつアップしていきたいと思っています。

また日本での生活で感じたこともこれから少しずつ書いていければと思います!

もしよかったらこれからも時折ご覧ください。


2010年6月20日