2009年7月19日

化学実験の授業(その2)

ですが問題は「水」です。

理想的な化学実験を行うには、水道設備(実験器具を十分に洗うため)と蒸留水(正確な溶液を作るため)が必要ですがこのどちらも存在しません。

村には何箇所か水道があり、現在はそこから水が出るので(ただし有料)器具洗浄のための水はそこの水道から調達しました。今回は合計で200Lの水をバケツに取り、実験室まで運びました!

また溶液をつくるための水には雨水を使用しました。
うちの村の水道の水は様々なイオンが高濃度で存在するのか、溶液を作ろうとすると白色沈殿ができたりするので適切ではないと判断しました。かわりに学校所有のタンクに貯めてあった雨水をつかうことにしました。今度はおかしな沈澱もできず、水道水よりは適当であると判断しました。


タンクから水をくみ上げる生徒(名前は左の生徒がJUMA、右の生徒がRAJABU)


実験は3日計画で行いました!

1日目は放課後に生徒にバケツ持参であつまってもらい、水を調達(水道のある場所→実験室)。そして実験室を清掃

2日目は放課後に生徒に集まってもらい全員で使うべき実験器具を洗浄(次の日までには乾く)。その後私は溶液を用意。


実験器具を洗浄している生徒たち

ビーカーを洗っています


そして3日目に実験決行です。

ビュレットを読む


熱心に実験中


実験それ自体について言うと,,得られた実験結果は決して良いものではありませんでした

使った薬品が古くて変質していた?
器具の洗浄が不適切だった?
溶液の用意に使った雨水が不適切だった?

など考えられる原因はたくさんあります。


生徒に実験結果に対する満足感を与えることができず、中途半端な実験の授業をしてしまったことは自分の責任だと思います。


蒸留水はバッテリーや工業用に使うものが町(マサシ)の工具屋さんに行けば売っているので、実験用に大量に入手できないかなと思っています。大量に買うとなると費用の問題があるのですが、10月に行われる国家試験本番までには町から蒸留水を手に入れたいと思っています。


しかし生徒には、

あらかじめ行った「酸と塩基の中和の概念と中和滴定実験の関連」や、
「実験のやり方、溶液濃度計算の仕方の実際」

などを学んでもらえたので実験授業をやってよかったなと思っています。

さまざまな場面で思うことですが、学校での教師という仕事を通して私自身がいろいろ勉強になっています。

協力してくれた生徒に感謝!


2009年7月19日

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